明桜歴代番長四代目 悲しき愛の少年
両親が死んだ時、一族の人間は皆嬉しそうであった。

伝統を重んじる楯岡組にあった反乱分子を潰せたからである。

猛はその時から澱んだ目だ。

いつかその目を、かつての猛のように澄み渡った目に戻して欲しいと、姉として切に願った。



なんて考えている間に登校指導は終わり、来た生徒の顔も分からず自分も学園へ戻ろうとする。

非難から逃げて他人の望む自分を本気で演じている自分をいつか「四代目」が救ってくれればいいな。



今日も生徒会長として、明桜歴代番長四代目の姉としての1日が始まる。
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