逆光
「幸せ?」
「うん。本当は好きな人と結婚して子供産んで家庭を築くのが女の幸せなんだろうけど、私の性格じゃそれは無理だから。」
次は唐揚げを口に含み、飲み込んでから話を続ける。
「玉の輿にしたの。お金持ちと結婚したい。」
ポカンとした顔で翔が和泉を見ているのが分かった。
和泉は気にせずお弁当を食べ続ける。
「なんで無理だと思ったんだ、始めの、好きな人と結婚するってやつ。」
「私は自分が誰かを好きになることはないと思ってるから。」
だってやっぱり自分が一番可愛いもん、と和泉は呟く。
人間誰だってそうだろう。
なんだかんだ言って、結局自分が一番なのだ。
自分の利益を度外視して誰かに心を尽くす自分なんて、和泉には想像も出来なかった。
「和泉はホント、ふてぶてしいな。」
自分が可愛いなんて言う奴、初めて見たぞ、と翔は目を細める。
彼はなんだか面白がっているようだった。