無機質な恋模様
「とにかく私はてっちゃんとの仕事が一番やりやすいよ。そのうちきっと他の人も、てっちゃんの素晴らしさに気が付くと思う。むしろ取り合いになっちゃうかも」
『…そうかなぁ?』
「そうだよ。だって、ホントにてっちゃんは優秀なんだから」


そこでてっちゃんの表情は途端に『ぱあぁ~』っと華やいだ。

次いで彼は力強く宣言する。


『じゃ、ぼく、一生懸命お仕事がんばらなくちゃ!』
「うん、頑張ろう!」


うまいことてっちゃんのやる気を引き出せて、心底ホッとしつつ作業を再開した。


そう時間はかからず、彼に担当してもらう分のお仕事は無事に終了する。


「終わったー」
『ふー、つかれたぁ』
「お疲れ様」


労いの言葉を述べながら私はてっちゃんのおでこに手を当て、優しくなでなでした。

と同時にその現象に気が付く。


「あ。だいぶ熱くなっちゃってるね」
『うん、中心部分からポッポポッポ熱が出てるの』
「ごめんね。いっぱいお仕事頼んじゃったから…」
『ううん。あやまらなくていいよ。それがぼくの役目だもんっ』


てっちゃんはキリッと返答したあと、すぐに甘えんぼな口調で言葉を続けた。


『楽しかったからいいの。だからまた、ぼくのこと選んでね?』


途端に私の胸はキュンとなる。


……まったく、どんだけ天然人たらしなの。
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