ずっとお前を待ってるから
「あ…そ、そのっごめんなさ…!」

自分の行動に頬に熱が集まるのを感じ勢いよく離れた。それをニヤニヤとした笑みで見つめる海にまた更に頬が熱くなった。が、冬二の表情は少し険しい顔。

「…それ、他の奴の前ではすんなよ」

「へ…?」

「俺先に行くわ」

「あ、う、うん…」

少し険しい顔のまま私の頭を少し乱暴に撫で、本当に先に行ってしまった。なんであんな顔をしていたのか分からず海と顔を見合わせて首を傾げる。
それから程なくして学校に着くや否や女子の大群に囲まれた。

「ちょっと!あなた、緑下君とどう言う関係なの!?」

「そうよっ!なんであなたと一緒に行動していたのよ!」

「べ、別にどうこうあったわけじゃ…」

「嘘よっ!朝、緑下君と学校に向かってる所私見たんだからね!」

「そ、そんな事いわれても…」

囲まれたまま通り過ぎる人の視線が痛い。それよりも女子達の目が何よりも恐ろしい程ギラついていた。後ろは靴箱。目の前は般若のような女子達。怖い。怖すぎる。

「やっぱり付き合ってたのよ!この女と!」

「ち、がっ!」

「朝から騒がしいぞ」

「あ…科峰(しなみね)先生…」

「きゃああ…っ!科峰先生おはようございますぅ…っ!」

怒り狂った女子の私に向いていた視線はその先生に向けられ一斉に黄色い声が上がった。
科峰長太郎(しなみねちょうたろう)。彼は数学教師で女子の注目の的。担任の黒岩先生もこの先生を狙っていると噂されている。

「さっさと教室に行け。チャイムが鳴る」

「は、はい…あ、あの…助かりました」

女子の大群は科峰先生の言うことを素直に聞き散らばって行った。それに助けられお礼を言うつもりで先生に頭を軽く下げたが先生はもうその場にいなくなっていた。
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