イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
この日、部長は商談のために午前中から外出してしまい、戻るのは夕方頃になると言っていた。
今日は天気が良くて、とても快適な陽気。お弁当は久々に外で食べようと思い、お昼休みになるとひとりで営業部のオフィスを出た。
購買部に寄ってふみかも誘ってみようかな、と思いながら階段を下りようとした時、ちょうど外回りから戻ってきた早乙女くんと出くわした。彼は今日も愛想の良い笑顔を見せる。
「お疲れ様。坂本さん、外に行くの?」
「あ、うん! 今日天気良いから、たまには公園で食べようかなと思って」
早乙女くんと顔を合わせると、不思議とほんわかした気分になって、私も自然と笑顔になる。
癒し系の部類に入るのかな。彼のこういう魅力は、営業でも強い武器になりそうだな、といい意味で思っていたりする。
そんな彼は、私の返事を聞くなり、表情を明るくして予想外の一言を口にした。
「いいね、公園。僕も行こうかな」
「えっ?」
早乙女くんも公園に?
目をぱちぱちとさせる私に、彼は白いビニール袋を掲げて苦笑いする。
「今コンビニで買ってきたんだけど、オフィスで食べるのも味気ないなーと思って。それに……」
私の目をまっすぐ見ると、彼は天使のような笑顔を向け、こう言った。