イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
迎えたお昼休み。部長がオフィスを出ていくのを確認し、私も少し時間を置いてから後を追った。
一応夫婦なのだから、ふたりで話していても何も問題はないけれど、会議室で会おうと指定されたということは、やっぱり誰かに聞かれてはいけない話なのだろう。ますますあの夜の件のような気がしてならない。
人がいないことを見計らい、落ち着かない気持ちで会議室のドアを開けた。
腕組みをして、窓際のテーブルに軽く腰掛けていた部長が振り返る。
太陽の光でブラウンに輝き、さらりと揺れる髪。その下の綺麗な切れ長の瞳と視線が絡むだけで、心臓が騒ぐ。ふたりきりになるのはあの時以来だもの、仕方ない。
「悪いな、呼び出して」
窓際へと足を進める私に、部長が言った。私もなんとか“いつも通り”を心掛け、口を開く。
「いえ、大丈夫です。どうしたんですか?」
「他のヤツに聞かれたらマズいだろ、お前が婿の件で悩んでるってこと」
えっ。婿の件? キスの件ではなく?
キョトンとする私と向き合い、部長は腕を組んだまま言う。
「婿候補を連れて来いって言われてんじゃないのか?」
驚きの発言で、私は目を丸くした。
「なっ、なぜそれを!?」
「ヒデちゃんが嬉しそうに報告してきたんだってよ、よっしーに」