イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「さすが金掛かってんな」

「夢を壊すようなこと言わないでください」


急に仏頂面になってつっこむ彼女に笑いがこぼれた。

しかし、すぐに笑顔になる一葉は、ステンドグラスから柔らかな光が差し込む厳かな教会内を見回して言う。


「もうシミュレーションなんてすることないと思ってたけど、まだありましたね、模擬挙式が!」


“上手いことを言った!”というように、得意げかつ嬉しそうな彼女。笑いながら「そうだな」と返したが、俺は正直、式場にはそこまで興味があるわけじゃない。

それより、一葉が喜ぶ姿の方が見たいんだ。


一通り見学し終わり、今度はドレスを試着するらしい。数百のきらびやかなドレスに囲まれた衣装室に案内されると、またもや一葉がきゃーきゃー言い始める。

どれでも好きなものを試着できるということで、うっとりしながらも吟味する彼女に付き合い、似合いそうなものを選んだ。

これがいいのでは、とふたりの意見が一致したものは、スカートの部分がふわふわとしたボリュームのある純白のドレス。バックにフラワーコサージュがついていて、可愛らしい一葉をより引き立ててくれそうな気がする。


試着室に移動し、彼女が試着している間、式場のパンフレットを眺めながら待っていたが、どうしても手持ち無沙汰になってしまう。

< 316 / 320 >

この作品をシェア

pagetop