Savior-社長は救世主-ⅱ



「機嫌が直って何よりです」



バックミラー越しに言ってくる優
いつもなら嫌味かって言いたくなるが
今はそれどころではない

今日は何としても早く帰る



「優のおかげだ」



澪が俺を追いかけてきたのは
優の差し金だ
下に降りる時間が遅くなっても
何一つ文句を言わなかった


ちょっと気に障るが
まぁ…いいや
澪が…言ってくれたんだ

だから、これは優のおかげだ





『…今日、一緒にお風呂…入ろう』



滅多に言わない…いや、
言った事がないだろう誘いだ

無理に言わせた事はあったが…


あのまま澪を連れて帰りたかった
それくらい、澪が可愛くて可愛くて…

それを隠すように
澪に軽くキスをし、別れた
澪は顔を真っ赤にして手を振ってくれた


明日も仕事だけど…頑張っちゃおうかな
9時には帰れるなんて言ったけど
もっと早く帰ろう、と決めた


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