Savior-社長は救世主-ⅱ
そして、藍さんは核心をつく
「ハヤカワマヒロって誰?」
優さんも藍さんも、
そして私も社長に視線を向ける
だれ?
お友達?
納得できるように説明してほしい
そう願うが、うまくはいかない
社長の目は泳いでいる
ハヤカワ…さん、うん、…あー、と
歯切れの悪い言葉
やっぱり…
そう思ったら、何より先に
身体が動いてしまった
「澪っ!」「澪ちゃん!」
藍さんと優さんの声がしたが
振り返る余裕なんてなかった
エレベーターのボタンを何度も押し
早く来い、と願うが
そういう時に限って来ない
早くこの場から去りたい、
エレベーターの反対側にある
階段で下へ降りた
「澪っ!」
どこかから聞こえる社長の声
負わないで、と泣きたくなる
目を泳がせた社長の姿
やはり私じゃない
ハヤカワマヒロという女が
社長にふさわしい人なんだ…