ゆえん
黙っていた洋輔が口を開いた。


「三人兄妹のうち、一人ぐらい、そういうのがいないとおもしろくないでしょ。店は俺が継ぐのだし。いいんじゃない」


親父が洋輔を見て、咳払いをした。

洋輔の言葉が嬉しかったのか、表情が緩んでいるように見える。


「どっちにしろ、卒業までまだ時間がある。三年生になるまでの間にお前の意志の強さを見せてみろ」

「わかったよ」


親に言ったことで、更に決意は固まった。




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