ニコル
 もう一度、聞こえてきた。ふたりは目で合図しゆっくりとその音を目指した。しゃがみ込んで、そっとベッドの下をのぞき込んだ。その時には、さっきまでの震えもなくなり、ふたりは好奇心の塊になっていた。
 「行くぞ。」
 「ああ。」
 「いち、にぃ、さんっ。」
 薄暗いベッドの下に何か小さな白いものが動いているように見えた。けれども、思ったより暗くて何が動いているのかわからなかった。
 「おいっ。何かいるぞ。」
 「でも、暗くてよく見えないな。」
 ふたりは勢いよく立ち上がった。
 「何か灯りになるもの探そうぜ。」
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