キミのコドウがきこえる。

***

そんな翔太が今、目の前にいる。



「ごちそうさま」



翔太は、焼き魚を綺麗に食べ終わると、箸を置いて両手を合わせてきちんと挨拶をした。



「じゃあ今日はこれで」



「あ?そうなの?」



私は、麻婆豆腐を食べていた手を休めて翔太を見送ろうと立ち上がった。



「いいよ、食べてて。また明日会いに来るから。明日の夕方あたりから飲みながら話しない?」



「うん、分かった」



「よっしゃ!ナルとお酒飲めるなんて楽しみ。ナル結構飲める?」



「人並みくらいじゃない?」



「了解!じゃあ明日ね!」



翔太は、私の頭をぽんぽんとなでると鼻歌を歌いながら居間から出て行った。

翔太のお店から出ていく後ろ姿を見送りながら、ちょっぴり胸が高鳴っているのに気付いた。


その様子を見ていた仁成兄ちゃんが、「店内恋愛禁止ですよ」と言いながら、じっとりした目で見ていたので「そんなんじゃないよ!」と言って居間の戸をぴしゃりと閉めた。

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