九条くんは、王子様





「え、あっ、い、いや、そのぉ…」


私が、返す言葉を探していると、カオルちゃんは、私を睨みながら、立て続けに喋り出した


「私ね、葵の元カノなのよ」


「へっ!?」


「それに、まだ諦めてないのよね〜葵のこと」



……カオルちゃんが、元カノ…



驚いたけど…なんか、納得してしまうのは、さっき会話していた2人が、とてもお似合いだったからかも知れない


カオルちゃんは、余裕そうに、フッと笑った

…そうだよね…私なんて、ライバルにさえなれてないんだもん…


「まぁ、せいぜい、粘ることね」


そう言うと、カオルちゃんは、その場をすぐに去っていった




どど、ど、どうしよう…




これじゃあ、快晴も曇天に変わるよ…

もう、お先真っ暗




それに、頑張るって、言ったって…どうしたら…




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