未熟女でも恋していいですか?
呆れた。

お礼のつもりでいたのに、返されようとしている。



「でも、ここは私が1人で住んでる家だし…」


あんたは男でしょうが…と言いたい。


「だから何?あんたもリフォームが必要か?」


どうしてそうなる。


「い、要りませんっ!」


顔が引きつる。

その顔を覗くように見下ろされ、ギクッと心臓が動いた。



「擦れてない女だな。でも、可愛げはねぇ」


「ほ、ほっといて下さい!」


あんたに言われる筋合いでもない。


「ほっとく?ほっといていいのか?」


「えっ…」


「メンテナンスはしなくていいのか?」


「メ、メンテナンス……って……必要ですか?」



聞き返す。

高島の言いたいことが、私にはよく分からない。



「…大いに必要ありと見た。……よしっ!お前もこの家も引き受けたっ!」


「なっ……」



引き受けるな、勝手に!

頼んでもない!



「カツラ…」


「さんっ!」


学習して!いい加減!


「先ずはそっからメンテだな。呼び捨てに馴れろ。それから、俺のことは『望』とだけで呼べばいい」


「い、嫌ですっ!」


そんな馴れ馴れしい呼び方。


「いいから。俺はその方が気が楽でいいんだ!」


「私は気が楽じゃない!」


「すぐに慣れる。とにかく呼んでみろ」


「な、何を!」


「俺の名前。の・ぞ・む」


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