なみだ雨



あ、そだ、これお土産。

はるかは肩掛けのワインレッドのバックから
小さい袋の金平糖を渡した。


「噛んで食べるんやて」


練は巾着袋の紐をしゅるりと解き、
金平糖を1粒取り出した。


ガリッと音がして、練を見る。


「美味しい」



ふふふっと笑い合う。

自然な笑顔。ああ。これだ。これが笑顔だ。
心から微笑んでくれてる。ずっと見たかった。
はるかの顔といえば、泣き顔しか思い出せないぐらい、悲しい顔が多かった。
この顔。この笑顔。
失っちゃいけない。失わせてはいけない。



自然と手を繋いでいた。

ぎゅっと握りしめると、きゅっと返ってくる。
ぎゅっぎゅっと握ると、ぎゅっぎゅっぎゅっと握り返してくる。

微笑むと微笑み返してくれる。


車内には、
イーグルアイチェリーの『Save tonight』
が流れている。






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