なみだ雨
「違うでしょ!ここは、こうするの!もう何回言ったら覚えるのよ!」
新しく入ったバイトの子。
覚えが悪くてきつく当たってしまう。
理子は、わざとらしくため息をつくと
ほうきとちりとりをもたせて
店の外を掃除させる。
一ヶ月前から、はるかは
突然バイトに来なくなった。
新しい子を雇った。
覚えが悪いんじゃない、
わたしの教え方が悪いのだ
それか、はるかちゃんがとても
仕事が出来る子だったからか…。
「辞めさせてください」
その日の帰り、女の子は理子に言う。
今月で2人目。
「え?」
バイトが終わったらきちんと
謝ろうと思っていたから、
突然言われて困惑する。
「制服は後日もってきますので」
その子はそう言って出ていこうとする。
待って、
ごめんなさい、
そう言えたらどんなにいいだろう。
辞めてほしくない、だけど、辞めてほしい
ドアがしまる音が聞こえた。