想いの能~チカラ~ 番外編集

ーsideレイスー

話しを聞いていた俺は侯爵達の足音が遠のくのを聞いて確認するとレナードが居る部屋に戻った。

……さっきの侯爵の言葉──『殿下、及びご令嬢には大変申し訳ありませんでした。』その意味、何故自分で言えないのか、と言うと加害者側の人間である侯爵と被害者のレイカは直接対面する事は法律違反になるからだ。

そして殿下は殿下御自身でカミングアウトしない限り情報を伏せるのがこの国の特徴。…国王及び王妃は自分で伴侶を見つけて欲しいと、王になるに当たって精神的に支えてくれるのは伴侶だと、だから自分が一番だと思える人を探し出して欲しいと願っている。

妃候補なんて形だけ。煩い外野を黙らせる為の囮。

この事に気付いている人は一体どれ位居るだろうか?矛盾した所を見破れるのは。

・殿下は顔を伏せてまだ社交には現れていない。

・なのに妃候補がいる。

一般的に考えれば妃候補から妃を選ぶのなら既に名乗りあげて指名して他の候補たちと区別化した方がてっとり速い。…それに気付いている人は?
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