その瞳をこっちに向けて
中畑先輩がどう思ってそう言ってのかは分からないが、私の行動は常識的に考えて優しくないし、間違っていると思う。
なのに、中畑先輩の手が優しく私の頭を撫でた。
「きっと、……川で一緒になってんだろ」
川の中で対だったペンダントは出会えたかもしれないし、出会えなかったかもしれない。
確率的には出会えない方が高い。
でも、……中畑先輩が言うように一緒になっていたらーー
「だといいですけど」
僅かに口角が上がった口で、そうボソッと呟いた。
その時、暗かった空がパッと明るくなったと思ったら、
ドーンッ!!
と心臓が震える程の大きな音が鳴り響く。
空を見上げれば、再び鳴る大きな音と共に赤や黄色の煌めく光が目に入った。
「あっ。……花火」
「雨が上がったからだな」
そういえば今日はお祭りだったのだと思い出しているその瞬間にも、ドーンッ…と大きな音を鳴らして空に輝やく花。