その瞳をこっちに向けて


「一応、一応だけど、ストーカーだけど、……お前も女だろ」

「一応じゃなくて、ガッツリ女だと知ってますけど」



一応とか凄く失礼なんですけど。



「だから……」

「だから?」

「ストーカーして仁の家の場所を知ったんだから、俺もお前の家を知る権利がある!仁を守る為に…だからな」

「なんか変な理屈ですけど……」


筋が通ってる様で通ってない。


中畑先輩が何を言いたいのか全く分からない。


 その事にしらけた目を中畑先輩へ向けると、中畑先輩はスッと私から視線を逸らし、まる聞こえなのにまるで独り言だというように言葉を吐いた。


「仁にお前がストーカーだって言ってなかったんだけどな」

「えっ!本当ですか!」


 絶対言ってると思っていたのに、まだ言ってなかったという朗報に興奮して声をあげたのに、中畑先輩は未だ独り言という姿勢を貫いているらしい。


「まあ、でもそれも今日までか」


わざとらしくチラチラと私へと向ける視線。これはどう考えても、そういう事なのだろう。

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