ただしいあなたのころしかた



飯田くんの提案を了承し、学校のすぐ近くだというカフェまで並んで歩いた。


がたいがいいなと思っていたけれど、改めて並んでみるとすごく大きい。180センチはあるのかな?



「なにかスポーツやってるの?」

「え? いやあ、まったく。運動苦手で」

「えっ」

「あ、意外だと思ったでしょ? 背あるからね、よく聞かれる。でもやってない、期待外れでごめんね」

「いや、そんなことは、」



あるっちゃあるけど。がっかりしたとかじゃなく。なんか意外。


運動やってないとかじゃなくて、苦手なんだ。なんか少し可愛い。



「背高いのはただの遺伝。親に感謝だよね」

「遺伝かあ。ご両親とも、背高いの?」

「んーん、父親は俺より高いけど、母親は明石さんより小さいよ」

「えっ、あたしより?」

「そー、多分、こんくらい?」



言って、飯田くんはあたしの目線の高さくらいの位置で手を振った。


あたし自身、背が高い方ではないので、飯田くんのお母さんはかなり身長が低い部類に入るんじゃないだろうか。


そして目を引くほど背の高い飯田くんより背が高いお父様、身長差が大きいご夫婦なのか。

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