君が分からない
「行くな……行かないでくれ……」










蓮君は行くなを連呼する度、抱きしめる力を強くする。









「なんで……なんで抱きしめるのよ……私達はもう終わったのに……」










「なら、もう一度、やり直してよ。」










私は蓮君の言葉に耳を疑った。










やり直して……?









「なんで……好きでもない人とやり直すのよ…」










「俺はお前が好きだ。」










蓮君はさらに腕を強くする。









「俺はお前が好きだ。好きだ。好きだ。だから……別れろとか、関わるなとかいうなよ……」











私は耐えきれなくなって








大粒の涙を流した。











「じゃあなんで……冷たくしたのよ、笑ってくれないの、一緒に帰ってくれないのよ……」







< 15 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop