この恋、賞味期限切れ
今日は、ずっと、想定外。
南の一挙一動に戸惑いを隠せない。
「……松井?」
「え?」
「顔赤いけど、大丈夫か?」
あ。
ほら、また。
ふわり、と。
大きな手が、私の左頬に触れた。
こうやって。
無自覚にたぶらかして。
優しいけど、優しくない。
「ちょっと熱いな……」
「っ、」
「熱あるんじゃねぇの?」
誰のせいだと、思ってるの。
どっかの無自覚バカのおかげで、私はもう瀕死寸前だよ。
助けてよ。
「だ、だいじょ、ぶ……」
ぎこちなくうつむき、南の手のひらをゆっくりと引きはがした。
もっと触れていたかった。
だけど、これ以上糖分を摂取したら、マヒしてしまう。
今はまだ、その温もりに焦がれるだけで、私は。
「本当に?」
「ほ、ほんとに! 大丈夫……だから」