百鬼百光
「大婆様、これ・・・っ」
天者が所有するラバの実は
大神様の命令により数が定められている
ラバの実は万能薬とも呼ばれるほど病に良く効き、村では大事に少しずつ使われている
それなのに・・・・
「大婆様、大変申し訳ないのですがこれは受け取れません・・・私の門出如きでラバの実を持つなんて・・・・皆に申し訳ないです」
「大丈夫じゃ、村の皆がおまえに持たせてやれと言うておる」
村の皆が・・・・?
「おまえの無事を願って、皆が一欠片ずつ分けてくれたんじゃ」
胸の奥で暖かいものが宿るのを感じた
「おまえが誰よりも一人の百光として全うに励んでおる事は村の誰もが知っておる。そのおまえの門出を祝ってやりたいと村の皆が買って出てくれたんじゃ」
目から沢山の雫が出て
膝の上にポタポタと落ちた


