不良探偵
程無くして、診療所のドアが開く。

中に入ってきたのは、黒髪のオールバック、ネックレスやリングなどの装飾品を身に纏った男だった。

左肩から、かなりの出血。

無造作にベルトを縛りつけて、止血しているだけに過ぎない。

「ここ…医者だろ…傷を治療しろよ…」

息を荒くしながら言う男。

言われるまでもない。

「座って」

診療台に男を座らせ、美奈は素早く行動を開始した。

消毒とピンセット、メス、大量のガーゼを手早く準備しつつ。

「服、切るわよ」

鋏で男の服を切り、肩の傷口を露出させる。

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