不良探偵
露わになった傷口。

それを見て、美奈は手を止めた。

「……どうした……早く治療しろ」

呟く男に対し。

「撃たれたわね、貴方」

美奈は冷静に言った。

「違ぇよ…鉄の杭が刺さって…破片が傷口に残ってて…」

「医者を嘗めないでちょうだい。こんなの傷口見るだけでわかるわ。銃創。しかもかなりの大口径の銃ね。よくこんな傷でここまで来たわね、貴方」

止血処置を続けつつ、美奈は話す。

「ヤクザや警察官の治療もした事あるから、銃創なんて見慣れてるの。今更見間違えなんてしないわ」

「……」

「事件性がある場合、医者は警察への通報が義務付けられているの。普通に生活してて、撃たれる事なんて有り得ないわ」

「……」

「悪いけど、通報させてもらうわよ」

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