不良探偵
「最近は特に『東京連合』が幅を利かせてんだろ?」

牛丼を掻き込み、爪楊枝でシーシーやりながら耕介が言う。

東京連合の歴史は意外にも古い。

80年代に暴走族『ダークエンペラー』および『クレイジースペシャル』を中核として結成されたのが『東京連合』。

90年代、チーマーとの暴力的抗争を経て渋谷の不良少年界を制圧した東京連合は、やがて六本木へと進出、クラブを影響下に置いてゆく。

2000年代にかけてチーマーやイベントサークルを暴力を背景に牛耳った上で彼らのいわば“後ろ盾”となり、それらを大企業とのビジネスに結びつけるなどで勢力を伸張、時のオレオレ詐欺の流行がその勢力拡大に拍車を掛ける。

夜の街を舞台にいわゆる“ヒルズ族”などの実業家らとの交友関係をも築き上げ、凶暴性のみならず人脈の面でも他のグループと一線を画す存在になっていった。

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