不良探偵
トラウマになるほど痛めつけられていた青年。

完全に心が折れたあの状況で、彼が自分の意思でこんな嫌がらせをしていたとは考えにくい。

「誰に指示された?お前のバックに誰かいんだろ?」

「っ……」

「ホントにリアル目玉焼きにされてぇか?」

「言う!言うよっ!だからやめてくれっ!」

青年は必死にライターから顔を背ける。

「か…鏑木さんに命令されたんだ…」

「鏑木ぃ?」

その名前は、倉本から聞いた覚えがある。

東京連合のOBで、強い影響力を持っている男、鏑木 薫。

< 79 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop