不良探偵
髪の毛を鷲摑みにされ、ライターを取り上げられる。

その人影は、耕介が叩きのめしたあの青年だった。

「二度と俺や雛罌粟の視界に入ってくんなって言ったよなぁ?」

そのライターを、顔に近付けられる。

「火遊びしてぇのか?なら焼いてやるよ、ほら」

「熱っ!熱い!やめてくれっ!」

このままでは顔を焼かれてしまう。

必死に逃れようとするも、耕介は青年を絶対に逃がさない。

「近所に写真ばら撒いたりしてたのもテメェだろ」

耕介は更にライターを近づける。

「あれだけ嫌がらせしたのに堪えねぇ姿を見せられると、加害者側としちゃあ今度は直接的な嫌がらせをしたくなる…例えばこういう付け火とかな」

耕介は犯罪者側の心理を巧みに利用し、待ち伏せていたのだ。

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