不良探偵
繁華街で傷害事件などを繰り返している半グレ集団『武』。

とはいえその母体は、アマチュア格闘技団体だ。

街の喧嘩屋とはレベルが違う。

基本から闘い方を学んだ、アマチュアとはいえ格闘家だ。

そんな連中を支配下に置くとは。

「六本木を中心に夜の帝王気取りで、金に物を言わせてるが、奴の権力は金だけじゃねぇ。暴力も一級品だ」

忌々しげに我妻が言う。

「街の便利屋に毛が生えた程度の探偵がチョロチョロして、拉致られて灰皿テキーラ飲まされても、俺ぁ助けになんか行ってやらねぇぞ馬鹿野郎」

「どこぞの歌舞伎役者じゃあるまいし。テメェになんか助け求めねぇよ」

耕介と我妻は、お互いにそっぽを向いた。

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