不良探偵
深夜に、耕介は探偵事務所に帰ってくる。

と。

「お?」

室内の灯りが付いていた。

「探偵さん」

部屋の中から雛罌粟が出てくる。

「どこ行ってたの…心配した…」

無表情ながら、どことなく不安を滲ませる雛罌粟。

「こんな遅くまで何してんだ雛罌粟。寝ないのか?」

「どこ行ってたの…」

はぐらかそうとする耕介にも、誤魔化されない。

「おお、六本木にな、呑みに行ってたんだ」

「探偵さんお酒飲まない…」

バレている。

「危ない事してたんだ…」

「危なくねぇよ、俺強ぇから」

雛罌粟の頭にポンと手を置き、耕介は事務所の奥へと入っていく。

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