不良探偵
「じゃあ…」

シャワールームの壁に両手をつき、背中を向ける雛罌粟。

「……」

耕介は溜息をつく。

「実はお前がシたいだけじゃねぇのか?」

「…そう思ってくれてもいいよ…?」

雛罌粟は肩越しに耕介を見た。

「ビッチだとか…売女だとか思ってくれてもいいよ…?」

他に耕介に感謝の意を表す方法を知らない。

こうする事しか、恩返しする方法を知らない。

そんな雛罌粟の尻を。

「ひゃあっ!」

耕介はパチン!と叩いた。

「思ってねぇし、そういう恩返しの仕方もするんじゃねぇ」

シャワーを止め、バスルームを出て行こうとする耕介。

その手を。

「探偵さん」

雛罌粟は摑んで引き止める。

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