いけない!?同居生活


愛人の子だと蔑まれて。
まるで不幸を絵にかいたような奴だと思ってた。



でも。



そいつは俺なんかよりずっと幸せそうで。
俺の持っていないものすべてを持っていた。




その時、初めて。
俺は何も持っていなかったんだと知った。





家族なんてものも、愛情もなにもかも。
この場所で得たものはなにもない。






「では、よろしくお願いします」

「はい。確かに承りました」





荷物を手にし立ち上がり、なんの感情もなく部屋を出ようとする。




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