My Fair Farewell
*
ガラス張りの店の外。
ガラスを挟んでわたしの隣を、裕が通っていった。
通り過ぎるとき、裕はわたしを見て、寂しげな笑みを浮かべて小さく手を振った。
わたしも笑みを作って、控えめに手を振り返した。
そのまま遠くなっていく裕の背中を見送った。
次に会うときが来たなら、きっとそれは、裕がもうわたしのことを過去にしたときだ。
きっと、それにはもうすこし時間がかかるんだろう。
わたしたちがお互いのことを「友達」にするには、一ヶ月よりもずっと長い、長い時間がかかるんだろう。