クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
玄関先まで来たのは永遠を見送るためではなく、鍵をもらうためだ。

「ダメ。貸したらすぐに自分の服見つけて帰るでしょ?」

「私、ひとり暮らし慣れてるし、問題ない」

「問題あるからここにいるんじゃない?」

うっ……。

やっぱり口では永遠に勝てない。

「欠勤の連絡は私がやるから」

私は永遠に恨みがましい視線を投げた。

「はいはい」

永遠が私の言葉を適当に聞き流して、後ろ手に手を振る。

“行ってらっしゃい”なんて言ってあげない。

私は怒ってるんだから。

玄関の扉をじっと睨み付けていると、ガチャっと永遠が鍵を閉める音がした。

ハーッと深い溜め息を吐くと、キッチンに行って食器を片付ける。
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