◆Woman blues◆
俺は眉を寄せながらスマホを覗き込み、唇を引き結んだ。

この、端正な顔つきの男性が肩を抱いているのは。

「リアナ、いい加減にしろ」

リアナはツンと横を向いた。

「恋に順番なんかないでしょ!」

可愛らしく加工された画像の一番下に、秋人&夢輝とペイントしてある。

「この画像、どうしたんだよ」

リアナはニコッと笑った。

「秋人のスマホから盗んだの。ツーショットの画像しかなくて。編集で彼女は切っとく」

「バカか!」

……ちょっと待て。

夢輝?

「この人の彼女?」

「うん。ジュエリーデザイナーなんだって」

リアナのその一言で、俺は彼女のスマホを手に取り、穴の開くほど凝視した。

夢輝……。

ジュエリーデザイナー……。

多分この人だ、さっき叔母が言っていた女性は。

まさかリアナのスマホを叔母に見せるわけもいかず、確認のしようがないが、何故か俺は確信した。

「なによ、一目惚れ?!」

スマホの中の『夢輝』は、確かに可愛い。

大きな二重の眼や、形のよい輪郭。

見たところは二十代後半といったところか。

「バカな事言うな」
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