◆Woman blues◆
交際がスタートし、同い年という点でも、結婚を視野にいれた交際だと理解していた。

そしてその半年後、突然のプロポーズ。

あんなに面倒だと思っていた結婚を、秋人となら体験してみたいと真剣に思った。

秋人は美形だし、頭脳明晰で仕事も出来る。

申し分ない相手である。

嬉しいことに式場選びも秋人から誘ってきた。

結婚式って色々面倒なのに、彼がまるでノータッチだって親友がボヤいてたけど、私たちの場合は多分大丈夫だろうなー、なんて思った。

だから式場の見学も、私は凄く楽しみにしていたのだ。

なのに……。

ここ最近、秋人の様子がどうも変だ。

あまり眼を合わそうとしなくなった上に、ハグやキスもしなくなった。

おまけにスマホをロックするようになったし、夕食後は私を避けるように寝室へ閉じ籠る。

一度など、心配して寝室へ見に行くと、急に開いたドアに驚いた上、秋人はスマホを手から取り落とした。

その画面は紛れもなく無料通信アプリで、明らかに彼は誰かと文字で会話中だった。

焦った彼の顔が次第に怒りを含んだ顔つきに変わったのを、今も鮮明に覚えている。

それ以来なんだかんだと理由をつけて、秋人は結婚に関する物事から逃れようとし始めたのだ。

これは何かある。

いくら鈍感な私でも不安で夜も眠れず、親友である麻美に相談する運びとなったのだった。
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