やっぱり俺のお気に入り
「じゃあな、雨宮。明日学校で会おう・・・・・」



青山は意味ありげな不適な笑みを浮かべながら俺に手を振った。



俺に殴られた頬は赤く腫れて痛々しいのに、



まるでそんなの気にもしない様子で未来の手を引っ張って行ってしまった。



去り際まで冷静な青山。



それに比べ俺は自分の感情のまま、あいつを殴ってしまった。



青山を見てると俺があまりにもガキだということを実感させられる。



だから余計ムカつくんだ。



青山を殴った拳がジリジリと痛む。



なんか・・俺・・・めちゃくちゃカッコ悪くね?



「青山先生っ・・・離してっ・・・」



未来は青山に無理やり引っ張られながら、何度も後ろを振り返る。



そして最後に、



「龍・・・斗・・・ゴメ・・後で電話するっ・・・・・」



と、つぶやき泣きそうな顔で青山とともに消えて行った。



なんなんだよ・・・・・青山・・・・・。



ちくしょう・・・・・。



でもそれ以上に腹が立つのは俺の無力さだった。


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