◇ヌードで魅せて◇


誰、なんて言わなくてもわかってくれる美帆。

わかってるというより、気づいていたのに何も言わなかった美帆。


今描いてるあの絵のモデルが先輩だって時点で、バレバレなんだと思うけど。


「……好き、なんだ」


同じ言葉を繰り返したのは、自分の心にも問いかけたかったからかもしれない。


一度認めてしまった気持ちは、もう抑えきれないほど溢れだしてきて。

溢れてしまった気持ちは、どうやってもしまいこむことなんて出来なくなっていた。

どんなに誤魔化そうとしても、もう意味なんてなかった。


気になってるって自覚はあった。

先輩の写真を見て、何度も胸が熱くなった。


嫌い、なんて酷いこ言葉を口にしながら、誰よりも先輩の存在を意識していたなんて。

誰にも気づいて欲しくなかった。


オモテに出してはいけない感情。

出してはいけない気持ち。


それは自分を制御するため。

自分を守るため。


一度でも自分で認めてしまったら。

抑えられる気がしなかったんだ。


気持ちが抑えられなくなってしまったら、きっとあたしは突っ走ってしまう。

先輩に嫌われるまで、先輩に拒絶されるまで、追いかけてしまうかもしれない。


それが怖かった。

誰かを好きになって、その気持ちを拒絶されることが怖かった。


傷つきたくない。

苦しみたくない。

…もう、あんな思いはしたくない。


それでも……


「好き……」


吉良先輩のこと、こんなにも好きになっていた。


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