◇ヌードで魅せて◇
先輩にモデルを頼まれたこと、それには条件があること。
放課後、先輩に会いに行っていることを話した。
初めは好奇心だった。
もともと先輩の写真が好きだったから、その先輩に写真を撮ってもらえるなんて嬉しくないわけがない。
どんなふうに撮ってくれるのか、興味がないわけないじゃない。
だけど、やっぱり近づきすぎちゃった……
「葵…もしかしてまだ……」
「美帆っ」
美帆の言葉に、自分の声を重ねる。
美帆を真っ直ぐ見つめ、小さく左右に首を振った。
「言わないで……」
切なく微笑むあたしに、今にも泣き出しそうな美帆は小さく頷く。
美帆の口から、聞きたくなかった。
あたしの昔の傷に、美帆まで一緒に傷ついて欲しくなかった。
美帆しか知らないあたしの秘密。
ずっと好きだった人に裏切られて捨てられたあたしの傷。
好きだから、イヤだって言えなかった。
どんなに酷いことをされても、離れられなかった。
何を言われても、何を強要されても、拒めなかった。
気づいたら、あたしは心も体もボロボロだった。
そんなあたしに『もういらない』そう言ったアイツは。
用なしだと、あたしを捨てた。
残ったのは、ボロボロの心と汚い身体だけ。