黄色い春 1話
「私さ、実は逞のことが昔から好きなんだ。」
「ふーん、そうなんや、で、逞には言ったのか?」
そうたずねると海由は暗い顔をした。
「まだ言ってないとか?」
「いや、言ったよ、けど断られたの。」
「それで、逞は嫌って言ったのか」
と、考え事のようにつぶやくと
「いや、まだ返事がないんだ。そこで叶斗に相談があるんだけど...」
「ん?なに?」
海由はそう言うと恥ずかしそうに
「逞にさ、どう思ってるか、遠まわしでいいから、聞いてくれ、ない、?」
断る必要もないかと思い、とりあえずうなずいた。そうすると海由はさっきまでの顔を一変、笑顔になった、そして話を変えて楽しみながら並んで帰った。
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