After -deconstruction "God Ideology"



 火神がしばらくして作業が終わると,すぐに神殿の入口に向かった.

すでに入口には水神と風神が待っていた.

前回同行したひけーこんはまだいなかった.

「あれ,火神,元気なさそうだね.」

「まあ,…な.

 ちょっと喝を入れてもらっていたんだ.

 神としての…」

火神はなんかの台本を棒読みするような読み方をしていた.

水神は震えていて,何もいえなかった.

しかし,風神はそのどんよりとした雰囲気に耐えられず,やや上のほうを向いて文句を言い始めた.

「ちょっとー,さっさと行きたいんだけどぉ.

 こんなことしたくないっていうかー.」

「わかったよ.

 早く行こう.」

水神は頭を下げて風神をなだめた.

しかし怒りはおさまることなく続いた.

「だいたい,あんたさー,【ナルカ】使えるんでしょ.

 早くアタシなしでもどうにかなるようにしてよ.」

「わかっているよ.

 コロ村はまだ行ったことないだけだから….」

その後もしばらく話というより愚痴が延々と30分も続いた.

「もう,おかげでずいぶん遅くなっちゃったんじゃないの.」

「(誰のせい?)」

「(さあ,間違いなく風神のせいだろうな.)」

「なんか言った?」

結局神殿から【ナルカ】を使って出たのはそれから約1時間後だった.

コロ村に行くまでには火神だけではなく水神もかなり疲れたしまった様子だった.
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