After -deconstruction "God Ideology"



 ミナトシティの潮風は暖かくそれでいて心地いい.

昨日もこの時もそうである.

「しっかし,おいら達が歩き回っている方が不審者になるんじゃないかあ.」

雷神が何故かうれしそうに話を持ちかける.

「雷神はもともと不審者だって言うじゃないか.

 なあ…水神?」

火神が雷神を茶化す.

水神はいきなりふられてあわてふためいていた.

「あ,あ…,ほ,ほら,僕のお金…」

「そんなこともあったような…なかったような.」

雷神はふいと向きを変え,急に口笛を吹き始めた.

「あのあと水神は怒られたんだぞ!」

「もういいよ,もういいよ.

 たいして怒られた訳でもないし.」

自分のために怒ってくれる火神のことを嬉しいと思いつつもやめてくれとなだめていた.

火神も水神の気持ちを察してか,それ以上は何も言わなかった.
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