After -deconstruction "God Ideology"
ジラスは叔母の家に少しだけ暮らしていたが,自分の部屋があるかどうかを覚えていなかった.
火神に変わって以来,自分の身に降り注ぐまさにいろいろとしか言いたくないことがあったような気がするあの水色の部屋の印象が強すぎたのかもしれない.
自分の部屋だとしても,それをわかるはずなかった.
部屋には何もなかったはずだ.
そもそも大元のリーリュスの家から一時的に来ていただけのはずだ.
ほとんど何も持ってこなかった.
何回か眠っていたその部屋の壁や窓の位置,そういうものもなくはなかったが,もう全ての部屋を見つくした今となってはどうでもいいことだった.
風呂からトイレから全ての部屋を見たが,誰もいなかった.
特にルーシー伯母の部屋と同じように,あらされたり何か持ち出されたりすることはなかった.
むしろジラスの探索のほうが荒らしに近かったのかもしれない.
火神は皆が集まることになっているリビングルームのような場所にいた.
そしてこの住人はどこかに行ったのだということがわかった.
あるいはとても「きれいな」魔法で存在を消されてしまったのかもしれない.
この家に限らず,戦争をしているとは思えないくらいの静けさに珍しく,少し寒気がした火神だった.
「どこにいるんだ?」
火神に変わって以来,自分の身に降り注ぐまさにいろいろとしか言いたくないことがあったような気がするあの水色の部屋の印象が強すぎたのかもしれない.
自分の部屋だとしても,それをわかるはずなかった.
部屋には何もなかったはずだ.
そもそも大元のリーリュスの家から一時的に来ていただけのはずだ.
ほとんど何も持ってこなかった.
何回か眠っていたその部屋の壁や窓の位置,そういうものもなくはなかったが,もう全ての部屋を見つくした今となってはどうでもいいことだった.
風呂からトイレから全ての部屋を見たが,誰もいなかった.
特にルーシー伯母の部屋と同じように,あらされたり何か持ち出されたりすることはなかった.
むしろジラスの探索のほうが荒らしに近かったのかもしれない.
火神は皆が集まることになっているリビングルームのような場所にいた.
そしてこの住人はどこかに行ったのだということがわかった.
あるいはとても「きれいな」魔法で存在を消されてしまったのかもしれない.
この家に限らず,戦争をしているとは思えないくらいの静けさに珍しく,少し寒気がした火神だった.
「どこにいるんだ?」