After -deconstruction "God Ideology"
本の題名は魔法言語(※)で『はじめの書』となっていた.
★魔法言語:現在となってはマジックヴィレッジでのみ通用する魔法のための古典語.魔法がかけられている言語ではなく,魔法を生み出すための言語.
書物庫にある数多くの本のなかでも読む人が多いらしく,ぼろぼろになっている.
欠けているページも少なくない.
「はじめの書か….
僕は本の名前,いつも読んでいる本の名前ですら忘れていた.
いつも読んでいるのに,わかったためしもないのに.」
それでも他の本に比べれば,表紙は紙ではなくなにかの皮でできていて,しっとりしていた.
ページをめくってみた.
紙がめくれる音がした.
「やめた,外へ行こう.
きっとなんとかなるさ.」
水神ははじめの書を持ってもともと置いてあった場所に戻した.
もう一度音はしたが,水神は聞いてはいなかった.
水神は書物庫から外に出た.
外へ出ると扉を閉めるために書物庫を見た.
「ごめんね,…でも僕は寂しいんだよ.
もし,もし…わかってくれると,うれしい…けど.」
水神は星月様の部屋の前を通った.
扉は珍しく開いていた.
誰かがいる,とわかった.
しかも何かの声がするのもわかった.
水神は引きつけられて扉の陰に隠れた.
★魔法言語:現在となってはマジックヴィレッジでのみ通用する魔法のための古典語.魔法がかけられている言語ではなく,魔法を生み出すための言語.
書物庫にある数多くの本のなかでも読む人が多いらしく,ぼろぼろになっている.
欠けているページも少なくない.
「はじめの書か….
僕は本の名前,いつも読んでいる本の名前ですら忘れていた.
いつも読んでいるのに,わかったためしもないのに.」
それでも他の本に比べれば,表紙は紙ではなくなにかの皮でできていて,しっとりしていた.
ページをめくってみた.
紙がめくれる音がした.
「やめた,外へ行こう.
きっとなんとかなるさ.」
水神ははじめの書を持ってもともと置いてあった場所に戻した.
もう一度音はしたが,水神は聞いてはいなかった.
水神は書物庫から外に出た.
外へ出ると扉を閉めるために書物庫を見た.
「ごめんね,…でも僕は寂しいんだよ.
もし,もし…わかってくれると,うれしい…けど.」
水神は星月様の部屋の前を通った.
扉は珍しく開いていた.
誰かがいる,とわかった.
しかも何かの声がするのもわかった.
水神は引きつけられて扉の陰に隠れた.