After -deconstruction "God Ideology"



 ジラスはその暖かい箱を開けようとした.

しかし,木の箱は開けるところがないことに気がついた.

どこもきれいに閉められていて,蓋の部分がどこなのかわからない.

「まだ開かないの?」

たいした時間も経っていないのに,キャサが小刻みに足を上下させている.

「落としてみたら割れるか?」

ジラスはキャサの言葉なんか無視して開けるのに一生懸命になっている.

彼は割れ物なのかどうか,箱を軽く振ってみた.

すると,箱の中のものは鈴みたいに乾いた音を立てた.

「あら,それ割れ物かもね.」

キャサはため息混じりにちょっと洩らした.

ところが,キャサの予想に反して意外なことが起きた.

なんと,ジラスが振った箱は,急に光り始めた.

<火の神よ,その護りはお前のものだ.>

どこからか急に声が聞こえてきた.

少なくともジラスにはそう聞こえた.

「キャサ,何だろ.聞こえただろ?」

「え,何?何が起こったの?中身は何なの?それ以前に蓋が開いたの?」

キャサは何が起こったのか全くわからない様で,混乱している.

ジラスも混乱こそしていなかったが,状況をうまく把握していないみたいだ.
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