封印の虹 Vivid army
「新しいストーリィを作ったんだな。似合ってるぞ」

「ありがとうございます!」

「でもそのストーリィ、華栄には見せるなよ」

鋼打隊長からも似合っていると言ってもらえて嬉しかったけど、最後が気になる。

「華栄さんって……」

「仲根 華栄、諜報部隊の隊長だ。あいつは可愛いものが好きだからなあ……今日十四時に華栄のところに行ってもらうからな。これが書類と地図だ」

自然に書類と地図を渡して鋼打隊長は行ってしまった。今日になって言うのはやめてほしい。今は九時か……準備しないと……

準備も終わらせて十二時半に出発した。華栄隊長のところへ行く途中、笑実ちゃんと会った。

「こんにちは、どこに行くの?」

笑実ちゃんはいつもと同じように接してくれた。昨日はどうしたの?とか言われなくてよかった……

「華栄隊長のところ」

そう言うと、笑実ちゃんが嫌そうな顔をした。

「苦手なの?」

「うん……多分あの人私のこと嫌ってるし……あんまり会いたくない人だなあ……」

笑実ちゃんが人の事苦手と言うのは珍しいと思う。笑実ちゃんが苦手と思うなんてどんな人なのかな……?

笑実ちゃんと別れて地図を見ながら歩く。

「ここ、だよね……?」

家に表札が無くて合ってるかどうか分からないけど、地図では多分ここだ。私は勇気を出して呼び鈴を鳴らした。
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