気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
いつも通りが一番いい。これからも、冗談には平然と対応するようにしないと。

それにしても、四時に来てくださいと言っておきながら待たせすぎじゃないですか?とさすがにわたしも思って時計を確認していると、ドアがノックされてやっと販売営業部の広告担当者が現れた。

とても申し訳なさそうに「すみません、お待たせして……!」と言いながら頭を下げた後、わたしたちが座って待っていたソファの向かいに気まずい面持ちで腰を下ろした。

相手の顔つきで、なにかあったのかな?と感じたのだが、それは的中してしまう。

「誠に勝手ながら……今回の件はなかったことに……」

「はい?」

賀上さんが、どういうことですかと言いたげに首を傾げると、担当者は言いづらそうに理由を説明した。

「わたしどもの方では、是非とも吉葉さんにデザインをお願いしたいと思っていたのですが……どうも、他のデザイナーさんの案がいいと評価されてしまいまして……」

「うちだけじゃなく他にも依頼していたんですか?」

「いや、違います。どうもそのデザイナーさんが社長と知り合いで、その方が今月ニューヨークから帰国して時間が余っていたらしく、それを聞いた社長が勝手に広告デザインを頼んでしまったんです。わたしたちも、会議の直前で上から報告をされて……本当に申し訳ありません」
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