幼なじみの隣で不器用な恋を
「花奏、時間…大丈夫か?」
「う、うん。」
「じゃあ、この後…今度は花奏の行きたい店…回ろうぜ?せっかく遠出してきたわけだし、何より、まだ花奏と一緒に居たいから。」
眞紘くんの言葉に、胸がジワリと温かくなる。
私と同じこと、思ってくれてたんだ…。
嬉しいな…。
「どの店、行きたい?」
「えっと、それじゃあ……前になっちゃんと来た時に行ったお店でもいい?可愛いアクセサリーとか小物が売ってるところなんだけど……」
「よし、そこに行こう!」
声を弾ませる眞紘くんに手を握られたまま、目的のお店に移動する。
着いた途端、私は顔を綻ばせた。
女の子たちで賑わうお店の中は、たくさんの可愛いものでいっぱいだ。
「このストラップ可愛いなぁ…。あっ、このポーチも可愛い!あそこのスマホケースもいいなぁ…。」
足取り軽く店内を動き回る私だったけれど、途中でハッとして立ち止まった。
私、さっきから…勝手に楽しんじゃってる。
眞紘くんも一緒に居るのに…。