幼なじみの隣で不器用な恋を
「花奏ってば、仲良しの幼なじみ…っていうよりも、結城君のお母さんみたいだね!」
「お、お母さん…!?」
「うん!だって、結城君の栄養バランスまで考えるなんて、もはや幼なじみの域を超えて、お母さんレベルでしょ!」
そ、そういうものなのかな…?
とりあえず、私の片想いに気付かれたわけじゃないみたいだから良かった…。
ホッと胸をなで下ろしながら、眞紘くんにお弁当を手渡す。
「サンキュ、花奏!」
早速、お弁当箱を開けた眞紘くんは、目をキラキラと輝かせた。
「すげぇ…。これ、全部…花奏の手作り?」
「うん。あ、でも…卵焼きとかウィンナーとか、シンプルなものばかりだよ?あまり、手作り感ないかも…」
「そんなことねぇよ。それじゃあ、いただきます。」
パンッと両手を合わせた後、真っ先に眞紘くんが箸を伸ばしなのは卵焼き。
それを口に運ぶと、顔を綻ばせた。