密星-mitsuboshi-

触れた唇に火がついたように熱い
体温が上がった渡瀬の首筋から
むせ返るようなあの香り

早紀は頭の中に霧がかかっていくのを感じた

渡瀬の唇はそのまま早紀の顎、首筋へと
ゆっくりと移動する

渡瀬は早紀の首筋を喰んだまま
まるで手品のように身体から衣服を剥がしていった

あらわになった早紀の白いふくらみに
その顔を沈めた

二つのふくらみの先の
硬くなった蕾にそっと舌をあてる

「あっ…!」


声と同時に 早紀の身体は痺れ、腰が浮いた

「かわいいな」

いたずらに笑う渡瀬に
恥ずかしさがこみ上げ手で顔を隠す早紀

渡瀬はその手をゆっくり外し

「隠さなくていい…全部見せてくれ」

そう耳元で囁かれた瞬間
早紀の中で理性の枷が外れる音がした

渡瀬の首に両腕を回し
ぐっと自分顔の前へと引き寄せる

早紀はその唇がほしくてたまらずに
自分からその唇を喰みにいく
絡む舌と舌
もはや唇すら邪魔なほど
吸い上げて
呼吸も忘れるほどに

早紀の潤んだ瞳と息づかいに
渡瀬は自分を抑えきれず

「…もういいか?」

熱く硬くなったそれをすり付ける

早紀はコクンとうなづいた

その瞬間、
早紀の中いっぱいにそれが押し込まれてきた

「…ぁはっ…」

声にならない声が吐息となってもれる

もちろん初めてなわけじゃない
しかし早紀は今までに感じたことのない
自分の中心を貫くかのような快感に全身がしびれた

「もっと…もっと声きかせてくれ」

ときたま耳元で優しく囁く声が
その度に流れ込んでくるあの香りが
早紀の全てを増長させる

自分の意思とは別に動く腰
どうしようもなく感じている音がする

強く突かれるたびに押し寄せる快感の波で
息ができない

早紀は今までに出したこともない声が出ていることに驚きながらも
自分の反応全部が渡瀬を興奮させていることが堪らなかった

早紀は渡瀬の首に思い切り抱きつき
無意識に下半身に力を入れる

その度に渡瀬が小さくうめく
渡瀬の顔からは余裕が消えていた

どんどん激しくなる快感

耐えられなくなったのは早紀だった

「も…もぉ………お願いっ…」

そういうのがやっとだった

ベッドのスプリングがきしむ音がさらに早くなる

渡瀬は早紀の両手の指を自分の指と絡ませ
強く握った

「あぁっ…!」
「うっ…」

悲鳴にも似た声と小さなうめき声が重なり
温かいものが早紀の中に勢いよく流れ込んだ

しばらくのあいだ、2人の荒い息づかいが響いていた

渡瀬は、力が抜けてベッドに横たわる早紀の唇に
ゆっくり唇を重ねた

それはまるで壊れ物に触れるかのように優しく、
そして柔らかなキスだった
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